がん治療update

09がん特異的ワクチン療法と臨床効果
Takashi Morisaki:2005.05

(※記事内の情報は執筆当時の内容のため現在とは異なる場合がございます。)

米国のがん免疫療法の大御所である国立癌研究所外科のローゼンバーグが最近まとめたがん特異的ワクチンの臨床効果に関する報告(Nature Medicine 2004,10,p909)によると、 ペプチドワクチンが2.7%、ウイルスベクターワクチンが1.9%、がん細胞ワクチンが4.6%、樹状細胞ワクチンが9.8%と、いずれも決して高くはない臨床効果でした。それでも樹状細胞ワクチンの効果が最も優れている点は注目に値します。

というのは、患者さんは標準的な治療をすべて終了して無効となられた方がほとんどであるからです。 現在の免疫細胞療法は、がんを縮小させる効果としては抗がん剤治療に比較して劣ることは否めません。しかしながら、がんの縮小効果は少なくても、QOLを保ち、生存期間をのばすことも重要である点からすれば、 最近、米国のDendren社が発表した前立腺がん患者に対する樹状細胞ワクチンにより有意に生存期間の延長がみられたとの報告は意義が大きいと思われます(Nature Medicine April News)。

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