がん治療update

03がんワクチン、そのがん治療と予防への応用
Takashi Morisaki:2004.07

(※記事内の情報は執筆当時の内容のため現在とは異なる場合がございます。)

がんワクチンは、今新たな展開をみせています。

ワクチンはもともと免疫力を用いて疾病の予防という目的で使われているわけですが、こと、がんの場合は他の標準的治療が無効になった場合の最後の手段という立場で使われる場合が多かったわけです。しかし、ここにきて、がんの再発予防という本来の目的でもワクチンの確かな有効性が報告されはじめています。

最近、Lancetという世界的な臨床の雑誌に、腎がん術後の再発予防を目的とした自家がんワクチン(手術で摘出された患者自身のがん組織を用いたワクチン療法)の効果についての論文が発表されましたが、これまでにも悪性黒色腫や大腸癌でも自家がんワクチンの効果が報告されています。

リンパ球機能を体内で強力に活性化する樹状細胞ワクチンは、ワクチンの中でも最も強力であると考えられますが、今後は、治療の分野のみでなく、進行癌の再発予防の分野でも活躍することになると思われます。その時是非必要になるのが、手術で採取された自分のがん組織なのです。

がん組織の中には、ワクチンの材料に用いるがん細胞のみでなく、 がんに働く腫瘍浸潤リンパ球という特殊リンパ球も含まれており、是非自分のがんが手術で採取される場合は、組織を凍結して保存しておきたいものです。

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