がん治療update

02がんの抗体療法
Takashi Morisaki:2004.06

(※記事内の情報は執筆当時の内容のため現在とは異なる場合がございます。)

抗体とはBリンパ球という免疫細胞がつくりだす生体分子です。がん治療の場に、その抗体を使った新しい治療法がでてきました。

乳がんに対するハーセプチンや、悪性リンパ腫(B細胞型)に対するリツキサンなどが、日本でも臨床で使われはじめ、非常に高い有効率がでてきています。 これらの抗体医薬は従来の抗がん剤と異なり、がん細胞の表面にある特殊な抗原分子に結合することによりその効果を発揮します。

しかし、これらの薬剤を使っている臨床医の先生にも十分理解されていないのが免疫能の重要性です。 これらの抗体ががん患者さんのからだの中で働く時には、抗体の力だけでなく補体という免疫系に属する分子やNK細胞や単球といった免疫細胞のADCCという助けをかりてがん細胞をこわすメカニズムがより重要なのです。従って、免疫能の理解抜きには抗体を用いたがん治療の発展もありません。

近々、VEGFというがんの栄養血管の形成に関わる分子を標的にした抗体も臨床の場に登場してきますが、 いままで効果的な薬剤のなかった肉腫への効果も期待されています。

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