細胞凍結保存のすすめ

免疫療法に必要なもの

現在免疫療法というと、外科手術や抗がん剤投与、放射線治療といった標準治療が出来なくなった場合の治療として、あるいは標準治療との併用治療として選択されることが多々ありますが、(再発)予防としても効果を発揮すると考えられています。

そのためには、時期を逃さずに細胞を保存する必要があります

自己がん特異的免疫療法に必要なものは次の2つです。

1)状態の良い時の自分の免疫細胞を取っておく

免疫細胞療法は、患者さんの細胞を元に培養しますが、どんな細胞でも良いというわけではありません。
患者さんの病状によっては、細胞採取が行えない場合もございますので、免疫細胞の数や機能に問題がない早い段階で、できるだけ一括して採取しておくことをお薦めしています。

アフェレーシス(詳しくはこちら)によって一括採取・保存しておけば、良い状態の細胞をいつでも使うことができますし、他の療法にも併用することが可能です。

2)外科手術の際に自分自身のがん組織を取って保存する

がん細胞は樹状細胞ワクチンを作成するのに使用します。
これは、手術の時の自分のがん組織を凍結保存しておくことが最も確実で、チャンスは一度だけです。後は再発時に生検するしかありませんが、それでは十分な量のがん細胞を得ることが難しくなりますし、何より再発は予防されなければなりません。

手術で取ったがん組織は、手術をした病院のものとなり、最終的には医療廃棄物になってしまいます。
手術の前に、主治医の先生にがん組織の一部を取り置いてもらえるようにお願いしなければなりません。その際はすぐに凍結保存しなければなりませんので、当院と連携して確保します。

良い状態の免疫細胞、そしてがん細胞。この2つが揃うことで効果的な免疫細胞療法を行うことができます。これから手術を受けられる方で、免疫療法もお考えの方は、是非ご検討ください。

今後、忘れてならない「がん組織」を保存する意義として、がんの遺伝子プロファイルがあります。
「がん」を凍結保存しておけば、様々ながん遺伝子の変化を、今後可能になる遺伝子検査にて詳細にみることができます。その結果、現在開発中の様々な分子標的治療薬の効果予測や、再発のリスク判定などに有用であることが分かっています。

アフェレーシス(成分採血/免疫細胞の一括採取)について

体内の免疫細胞は、そのままではがんに立ち向かうには数も機能的なものも不足しているため、治療に用いるために体外で加工して増やす必要があります。

アフェレーシスの様子

アフェレーシスとは、血液から必要な免疫細胞を一括採取することです。

一般的には1回のアフェレーシスで6〜12回治療分の免疫細胞が確保されると言われておりますが、当院では正しく凍結保存する技術と設備を備えているので、数十回分の細胞を確保することができます。

アフェレーシスの流れ

当院で行うアフェレーシス(免疫細胞の一括採取)は、血液を2〜3時間程かけ寛いだ環境でゆっくり体外循環させて治療に必要な白血球(リンパ球・NK細胞・単球)だけを採取するもので、赤血球や血小板、その他の血漿成分は全て患者さんの体内に戻します。

最終的な採血量は80〜100cc程度ですが、治療回数で言えば数十回分の治療用の細胞が確保できる上、患者さんの身体に与えるダメージは殆どありません。

アフェレーシスの流れ

採取した免疫細胞は、細胞が壊れないように薬剤で特殊な処理を施し、マイナス80℃という超低温で数年以上の長期間に亘って保存することができますので、患者さんは質のしっかりとした細胞を使って治療を受けることが可能になります。

免疫細胞の一括採取と長期保存のメリット

その他にも、再発予防として、発病する前に健全な免疫細胞を確保しておくという意味でアフェレーシスを行うことも可能です。

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