院長コラム

(※記事内の情報は執筆当時の内容のため現在とは異なる場合がございます。)

092020年のがん
2004.12

今から15年後の2020年には、がん羅患率とがん死亡率はどうなっているのか。

最近、がんの疫学的調査から推測される2020年における日本人のがんの実態を予測したがん統計白書が報告された。
これによれば、がん羅患者数は、男性50万人、女性35万人の計85万人で、70才以上の高齢者が64%を占めるだろうと予測されている。死亡率も増加し、がん死の人口は男性30万人、女性17万人の計47万人となり、もちろん死亡原因のトップであり、二人に一人の死亡原因になるであろうと考えられる。
今後死亡率が増加するがんは、男性では前立腺がん、肺がん、大腸がん、肝臓がん、胆道がん、膵がん、腎臓がんであり、女性では大腸がん、肺がん、肝臓がん、胆道がん、腎臓がん、乳がんの死亡率が増加すると予測されている。

共通するのは、増加するがんの多くが難治性固形がんといわれるもので、手術、放射線、 抗がん剤治療などに抵抗性で、治癒が難しいがんである点である。
今後、新しい作用機序の抗がん剤も数多く開発され、これらのがんの治療に応用されるため、少なくともがんの進行を遅くすることは可能となると思われる。
抗がん剤の多くは、がん細胞の内部で働きがん細胞の自殺経路(アポトーシス)を誘導することによって作用を発揮する。しかしながら、これらの難治がんの中には治療のたびごとにこれらの薬剤に対する様々な耐性機構をつくり(遺伝子不安定性による)、さらに進化してくるものが多い。

従って、がん細胞を細胞の外から攻撃する免疫療法などのような耐性をつくりにくい治療を組み込むことも重要な対策のひとつであろう。

このページの先頭へ