院長コラム

(※記事内の情報は執筆当時の内容のため現在とは異なる場合がございます。)

17制御性T細胞
2007.11

一般の方にはあまり知られていないことですが、最近の免疫学の中心になっているテーマのひとつに 制御性T細胞(リンパ球)があります。
このTリンパ球は免疫反応を弱める、言葉を代えると過剰な免疫反応を抑制する働きがあります。 自己免疫疾患などではこの細胞が体にとって「よい免疫細胞」になるわけですが、癌の免疫療法においては逆に免疫療法の効果を減弱させる元凶になりえるのです。

進行した癌の患者さんにおいては、この制御性T細胞が増加しているという報告も多くあります。 従ってこの制御性Tリンパ球をいかに減らすかは今後の癌免疫療法にとって大きな目標のひとつになりますし、このことを無視した免疫細胞療法には多くの問題があるといえます。
免疫を抑制する免疫細胞はこの制御性T細胞だけでなく抑制性NK細胞、抑制性NKT細胞、抑制性樹状細胞など他にも報告されており、むやみに非特異的な免疫細胞を増やして投与する方法には、免疫を抑制するという逆効果の働きをする細胞まで 同時に増殖させてしまうという危険性が伴うのです。

従って、最新の免疫学の理論に基づき、これらの抑制性免疫細胞が働かないように工夫した免疫細胞療法を行うことが重要です。

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