院長コラム

(※記事内の情報は執筆当時の内容のため現在とは異なる場合がございます。)

15がん免疫療法の光と影
2006.4

現在世に出ている癌の免疫療法に関する本の殆どは免疫療法の光の部分、つまり副作用が少ないとか、最新の治療法であるなどについては詳しく説明しているが、その影になっていてよく知られていない部分について詳しく解説した本を目にすることは殆どない。

このことは癌に対して働く免疫システムの持つ二面性が、まだよく知られていないことにも由来する。癌に対する免疫の反応は癌を攻撃する反応のみではなく、場合によっては癌の進行を助ける方向にも働きうるのである。
従って真に免疫療法を癌医療に役立てるためにはその光の部分のみならず、影の部分までよく理解したうえで治療を行うことが必要不可欠といえる。

また、免疫システムそのものの二面性だけでなく、この治療法のもつ社会的な二面性、すなわち、最新の副作用の少ない治療法であるという光の側面がある一方で、その多くが保険外の高額医療であり、 医学的エビデンス自体未だ明らかでないという影の側面もあるという点を十分理解した上で治療法の選択肢の一つとして考えることが望ましいといえよう。

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