院長コラム

(※記事内の情報は執筆当時の内容のため現在とは異なる場合がございます。)

13がん細胞の特性を標的にした分子標的療法と免疫細胞療法
2005.9

がん細胞が正常細胞に比べて多量に有している細胞膜あるいは細胞内の分子をターゲットした分子標的薬剤という薬剤の臨床効果が注目されています。
日本で現在使用できるのは、ハーセプチン、リツキサン、イレッサ、グリベックなどまだ少数ですが、 薬院CAクリニック(※現:福岡がん総合クリニック)では、米国のFDAが認可した分子標的薬剤で、臨床試験第三相を終了した薬剤であれば、 欧米より個人輸入して処方できるようにしています。

この中には抗新生血管阻害剤のアバスチン、HER1とよばれる細胞増殖因子の受容体に対する IgG抗体のアービタックス、イレッサより広範囲の癌に効果のある可能性のある チロシンキナーゼ阻害剤ターセバなどが含まれています。また、保険診療では乳癌でしか認められていないハーセプチンや肺癌でしか認められていないイレッサなども、医学的根拠があれば他の癌でも使用することも考慮します。

これらの新しい薬剤はこれまでの抗癌剤のような副作用は少なく、しかも従来の抗がん剤に抵抗性になった癌にも効果があるという特徴があります。また、これは免疫学を専門にされていない方はご存知ない方も多い点なのですが、免疫反応が、上述したような薬剤の作用機序の一つとしてあるという点です(例えば抗体と免疫細胞が共同でがん細胞を傷害するメカニズムである抗体依存性細胞傷害活性)。

従って、これらの薬剤を免疫細胞療法と組み合わせて使用するには、腫瘍分子生物学だけではなく免疫学の深い知識が要求され、さらに薬剤を処方した患者様に対する責任として、その効果のみでなく副作用も見逃さないための臨床力が要求されます。 薬院CAクリニック(※現:福岡がん総合クリニック)では、可能性のあるがん治療の全てを行うために、分子標的薬剤治療についても日々研鑽を積んでいます。

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