分子標的薬剤療法

最新のがん治療を取り入れて


当院では、がん治療の最新薬剤である分子標的薬剤を用いた治療が可能です。

この分野は標準的がん化学療法はもとより、分子生物学への深い知識と研究経験が必要です。

当院では、米国(FDA)や欧州で認可を受け、個人輸入可能になった分子標的薬剤についての学会・論文報告をもとに、有害事象(副作用)の発生に十分留意しながら治療を行うことができます。

当院で使用可能な最新の分子標的薬剤

当院では日本(厚生労働省)国内未承認薬でも、米国FDAや欧州(EU)医薬品局が承認した薬剤であれば、輸入して使用することが可能です。そのような薬剤には、抗PD-1抗体のPembrolizumab;Keytruda(悪性黒色腫、非小細胞肺癌特に扁平上皮癌)や抗CTLA-4抗体のIpilimumab;Yervoyがあります。

また、BRCA変異の乳がんや卵巣癌に対するOlaparib, 胃癌・非小細胞肺癌・大腸癌に対する抗VEGFR2抗体のRamcirumab、甲状腺髄様癌やRET遺伝子異常癌に対するVandetanib、B-RAF遺伝子変異腫瘍に対するVemrafenib, Dabrafenib、MEK阻害剤のTrametinibなども輸入の上、使用することが可能です。

Keytrudaについて


Keytruda(薬剤名はPembrolizumab)はMerk社の開発した抗PD-1抗体で、腫瘍細胞に対して潜在的な傷害活性を有するTリンパ球などに主に発現しているPD-1を抑制することにより、結果的にTリンパ球を活性化し、抗腫瘍効果を発揮する抗体医薬です。悪性黒色腫ではすでに米国FDAの認可を受けています。

これまでの米国がん治療学会(ASCO)や欧州腫瘍学会議(ESMO)では、悪性黒色腫以外でも、非小細胞肺がん、頭頸部扁平上皮癌、Triple Negative乳がん、Hodgkin型悪性リンパ腫、胃がん、尿路上皮がん(膀胱がんなど)、など多くの腫瘍でその臨床効果が報告されています。特に2014年末、米国FDAは、標準的第一次化学療法耐性の非小細胞肺がんに対する画期的治療薬として発表しています。

効果の予測のバイオマーカーとしては、腫瘍組織におけるPD-L1発現の有無がその効果と相関する可能性が示唆されていますが、未だ不明の点も多く残っています。
有害事象(Adverse Reaction)には、腸炎、皮膚炎、肝障害、内分泌障害、間質性肺炎などが報告されていますが、重篤なものは非常に少ないことがわかっています。
当院では、現在のところ、非小細胞肺がんとTriple Negative乳がんの患者さんで使用する予定です。

Mekinistについて


Mekinist(薬剤名Trametinib)は、多くのがん細胞内で活性化している細胞内シグナル伝達系であるRTK➞RAF➞MEK➞ERK系におけるMEKの活性化を阻害するセリンスレオニンキナーゼ阻害剤です。

現在、米国FDAはB-RAF変異陽性悪性黒色腫におけるB-RAF変異特異阻害剤との併用薬として認可していますが、甲状腺がんや卵巣がんの一部にも効果が認められており、将来、その適応は単剤あるいは他の薬剤との併用で期待されています。

有害事象は多岐にわたるものの重篤なものは少なく、比較的忍容性の高い分子標的薬剤と言えます。

当院では、現在のところ、B-RAF変異陽性悪性黒色の患者に対するDabrafenibとの併用や、B-RAF阻害剤もPD-1抗体も使用できない全身転移悪性黒色腫の患者さんに対し使用しています。近々、低悪性度漿液性卵巣がんの患者への使用も検討中です。

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