腫瘍特異的T細胞療法(CTL)

腫瘍特異的T細胞(CTL:Cytotoxic T Lymphocyte)


最もプロフェッショナルながん細胞攻撃細胞で、がん細胞上のMHC-Iという分子に結合したがん抗原ペプチドを特異的に認識できるT細胞受容体をもちます。

この場合、NKG2DやDNAM-1は補助的な分子として働き、NKG2Dの発現力が高いと、ペプチド抗原の有無に左右されずに攻撃能力を有します。

このがん抗原を認識できるCD8陽性Tリンパ球を活性化・増殖させてCTLを試験管内で誘導します。CTLの培養法に次の3つを採用しています。

1)従来法

放射線不活化自己癌細胞と単球、リンパ球を混合し、低濃度IL-2とその他のサイトカイン(IL-4やIL-7など)とともに2週間培養し、もう一度放射線不活化自己癌細胞と自己単球を加え刺激(2nd sensitization)し、さらに2~4週間培養します。

2)新法

当院で開発した方法です。自己腫瘍由来タンパクと、IL-2,IL-4, TNF-α IFN-γ, GM-CSFを入れた培養液で培養し、最後にCD3抗体でTリンパ球を増殖させます。

アフェレーシスを必要としない最近我々が英文論文(AntiCancer Research 32:2385-2390,2012)で発表したRapid CTL Inductionという方法です。
この方法は必要なすべてのサイトカインすなわちインターロイキン2、4とGM-CSF, IFN-α,γ TNF-αとともに自己腫瘍由来のたんぱく質(すなわち自己腫瘍の抗原のすべて)を投入して短期間に樹状細胞ワクチンとCTLを培養する方法です。

3)樹状細胞ワクチン刺激活性化リンパ球

樹状細胞ワクチンで長期間刺激したリンパ球を用いる方法です。

樹状細胞ワクチンにリンパ球を加え、2〜3週間低濃度のインターロイキン2で刺激培養し増殖させたリンパ球です。癌細胞表面のクラスIに結合した「ペプチド抗原」を認識するリンパ球を増加させることが期待されます。

CD8Tリンパ球はストレス抗原の認識受容体以外に、がん細胞表面にあるMHC-クラスIに結合したペプチド抗原を認識する受容体をもっています。樹状細胞に癌細胞のタンパク質やペプチド抗原を取り込ませ、その抗原に対する受容体を持つリンパ球を刺激すると活性化と増殖がおこります。この反応を利用して、がんペプチド抗原に反応するTリンパ球を増やすことができます。

そのためには患者さんご自身の癌細胞の凍結保存か、がんが発現していることが確認されたペプチドが必要になります。

このページの先頭へ